物語

杉並のカラオケボックスに住居兼探偵事務所を構える元刑事の湊兵吾と元外務省泊十蔵。暇はあるけど金は無し、家賃すらも滞納し…。が、依頼が飛び込んでくる元ＡＶ嬢のデータを奪ってくる。というモノだった。背に腹は代えられず、泥棒まがいの侵入を果たす兵吾と十蔵。そこにいたのは、自殺未遂中の女だった。

　ヤクザの花形にもぐりの医者を紹介してもらい、女を連れて行ったはいいが、請求書は兵吾たちに回される始末。更に厄災が降り注ぐのが、兵吾と十蔵の特権？

ＡＶのデータのつもりが、ヤバいネタの入ったＰＣを取ってきてしまう。『消えた蜜蜂と失踪した若頭』

かつて、兵吾が辞めるきっかけとなった『スモーキースマイル事件』その被害者の名前もそのＰＣには載っていた。

　女を背負い泥棒まがいをしていた兵吾、十蔵は警察から呼び出しを受ける。そこには、季節外れの署長に着任した一二三（にのまえ　ふみ）がいた。兵吾の警察大学校時代の同期であった。そしてその二人には・・・。なのに、十蔵は二三に惚れてしまう。

　7年前に起こった企業恐喝事件。食品会社、自動車会社、新聞社、政党・・・。キーパーソンを誘拐拉致し、真実の封印の為に金を企業に請求する。ネットで公開された動画で真実を暴かれた企業は、世間に叩かれ、それを隠した企業も同様に炎上した。当時、産業界はスモーキースマイルの影におびえていた。が、突然の休養宣言によって、事件は闇に紛れようとしていた。

が、兵吾は警察を辞めていてもなお、『スモーキースマイル』を追い続けていた。果たしてそのきっかけと片鱗は見えるのか・・・？

命を大切にしない馬鹿者と底辺で這いつくばっている愚か者の混沌必至のピカレスクストリー。

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2018.10